中国の日常をご紹介

北京・冬の味覚②糖葫芦(タンフールー)

2011年 11月 21日

 こんにちは。今回は、前回に引き続き北京冬の味覚その②糖葫芦(タンフールー)についてお届けします。

この糖葫芦は、日本の縁日で売られている「りんご飴」のようなもので主に屋台で売っています。

棒にサンザシの実やイチゴなどを飴で包んだものを刺して売っているので、すぐに分かると思います。

 実は現在、北京市民に広く親しまれているこのお菓子の始まりはある病気にルーツがあるのです。
宋代の皇帝のお妃様が重い拒食症を患い、皇帝が四方八方を尽くして家臣に探させたどんな方法を試しても一向によくなるきざしが見えませんでした。
そんなあるとき、「食前に、5~10個のサンザシの砂糖煮を食べてみなさい」という手紙が、とある漢方医から宮廷に届けられました。
わらをもすがる思いで漢方医の指示に従い、サンザシの砂糖煮を食べ続けているうちに半月後には不思議とお妃様のの拒食症はすっかり完治しました。
この一件により、サンザシには食欲増進の効果があることが分かり、サンザシの砂糖煮は庶民にも広まりました。
清代になると、食べやすいようにサンザシを串に刺して売るようになり、現在のような糖葫芦が生まれました。
 また、本来のタンフールーは冬だけの味覚なので気温が低く、飴の部分が凍ってしまっていて噛むと氷を噛んでいるように固かったのでビンタンフールーと呼ばれていましたが
今は一年中どこにでもあるので、ビン(氷)を取ってタンフールーと呼ばれています。
また、地方によって呼び方も違います。
 西安に、このタンフールーで一躍有名になった女の子がいます。
彼女の名前は康曉?さん。数年前に湖南省から陝西省西安市に出稼ぎにやってきました。
毎日、西安市にある西安交通大学の前でタンフールーを売っています。
その容姿が可憐でスタイリッシュなことから、「タンフールー西施」という「ハンカチ王子」的なあだ名を西安交通大学の学生につけられました。
たちまちネットBBSで話題になり、男性ファンが毎日並んでタンフールーを買っていくほど商売繁盛しているだけでなく「美しすぎる飴売り」としてニュースに取り上げられました。
現在、彼女はそのあだ名をもって「タンフールー西施」として起業しました。
 あなたも、ぜひタンフールー西施が作ったタンフールーを食べてみませんか?
思わぬ幸運が舞い込んでくるかもしれませんよ。

北京・冬の味覚①「羊のしゃぶしゃぶとフビライ・ハーン」

2011年 11月 20日

こんにちは!色々な勉強会が重なり、気付けば1か月近く更新できませんでした。

ごめんなさい^^;

さて、今回は北京の冬の味覚として有名な 「?羊肉(ひつじのしゃぶしゃぶ)」についてお届けします。

北京と言えば、北京ダックが一番有名ですがそれはまた別の機会にご紹介します。

 ?羊肉は、モンゴル草原が発祥の地とされてきました。

 実は、チンギス・ハーンの孫のフビライ・ハーンが?羊肉の誕生に関わっているという伝説があるのです。

今から数百年前、フビライ・ハーンが遠征中に突然、羊肉の煮込みが食べたくなってシェフに命じて作らせることにしました。

ところが、完成間近になって兵士が敵軍が近くまで迫っていることを知らせに来ました。

そのとき、ひらめいたシェフは薄切りにした羊肉をお湯の中に入れて少しの間かき混ぜて取り出し、塩をひとつまみ加えてフビライ・ハーンに献上しました。

フビライは絶賛し、調理法から「?羊肉」という名前をつけました。

食べ方は日本のしゃぶしゃぶと同じですが、具材が違います。

牛肉や野菜といった日本でも一般的なもの以外に、羊肉や豆腐皮(湯葉みたいなもの)、海鮮など中国ならではの具材もあります。

また、しゃぶしゃぶと一緒に焼餅というパンを食べることもあります。

 漢方的に羊肉は冷え性・生理不順などに効果があるので、極寒の北京では?羊肉屋はどこも込み合っています。

機会があれば、「東来順」という北京随一の老舗に立ち寄り、フビライ・ハーンが駆け巡った元代のモンゴル草原に思いを馳せながらぜひ一度?羊肉をご賞味されてはいかがでしょうか?

くせがなく、柔らかい羊肉をゴマダレでいただくその美味なこと・・・年中食べたくなるほど、ヤミツキになるかもしれませんよ。

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